投資環境の変化

中国の投資環境の変化はとてもめまぐるしい。変化の予想はムダであり、今のままの環境が続くと想定することも間違い。変化した時にいかに柔軟に素早く対応できるかを常に考えなければならない。

中国では業種別の外資規制や外国為替市場における規制が数多くある。そしてその規制は日々変わっており、全体としては緩和される方向である。ただ、大きな国であるがゆえに、市などの地域単位で規制が緩和されることも多く、特区もある。

こうした中国市場で中長期の投資を行ったり、新規の事業開発を行う場合、変化の予測は無理であるばかりでなく無駄である。どうなるかを心配して事前にあれこれ可能性を考えそれぞれについて対策を考えるよりも、変化することを前提と受け入れたほうが良い。投資環境が変化した場合にどのように対応するか、そういう視点で市場調査やネットワークづくりをすることが大切。

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価値提供できるかどうか

市場規模とか市場の成長性とかももちろん大事ではあるのだが、やはり一番大事なのはきちんと価値提供できるかという点。

ターゲットとする顧客に対してきちんと価値提供できればビジネスとして生き残っていけるし、成長もできる。価値提供できているかどうかは、提供する側が決めるものではなく、受け取る側が決めるもの。きちんと顧客の声や反応を見て、価値提供ができているかを計測しなければならない。

時には、顧客が必要としているものを顧客自身が認識していないかもしれない。顧客が価値だと思っていることが、本当は大した価値が無いかもしれない。それでもきちんと価値を見極め、提供して、それに対して価値があることを認識してもらう。

価値提供をしたうえで、中国という高成長、大規模な市場であれば、さらにそのビジネスの成功確率は高まっていくし、ビジネスの成長スピードや規模も日本の比ではない。土台にあるのはやはり価値提供できるかどうか。

2線級都市はまだまだいける

中国での事業展開というと、北京、上海など1線級都市がすぐに思い浮かぶが、主戦場はその次の2線級都市と呼ばれるところ。

2線級と言っても数百万人規模の都市であるし、十分な規模はある。一方、1線級都市ほど飽和感は無く、まだまだ伸びている途中の市場でもある。中国の企業であってもまだまだ開拓中の市場。1線級都市に隣接している都市も少なく、高速鉄道で数時間や飛行機に乗っていくような場所もある。単独の市場としてやっていかなければならないローカルサービスも多い。

日本企業にとってファーストターゲットを2線級都市に定めるのは難しいし参入決断もしにくい場所ではあるが、2線級都市はまだまだチャンスがあるし、3線級都市でも数十万人規模の市場であるからなおさらチャンスがある。

解決策よりも課題

日本でも中国でも、新規事業を考えるときもベンチャー投資を考えるときも、解決策よりも課題が重要と言われる。

とある機能を使ってどのようにビジネス化していくのかを考えるのは難しい。どんなものにでも使えそうに見えるし、誰も要らないようにも思える。お金を払っても欲しいと思えるような機能を考えだすというのは難しい。それよりも、困りごと、課題を見つけ、それを解決することでビジネスにしていったほうが考えやすいし立ち上がりやすい。顧客にとっても、その問題が大きければ大きいほど対価を払うインセンティブがわいてくる。

その点、成熟した日本市場よりも、中国のほうが課題を見つけやすい。確かに、北京や上海などの大都市は課題があってもそれに対するソリューションを提供する人は多いが、それ以外の都市ではまだまだ社会・生活向上のための課題は山積している。それをうまく見極められれば十分大きなビジネスになる。海外事業展開のチャンスがある。

こんなこともあんなこともできる、と機能面やソリューションを強調するよりも、どういう問題を解決したいのか、より明確な課題意識を持ち、マーケットに問うことが重要。