中国ビジネスで刻むとは?

ビジネスの規模や成長スピードが異なる中国において、日本の感覚でビジネスのステップを刻んでGo/No Goを判断するのはすごく難しい。

市場調査やその延長で少しずつリスクを取りながらビジネスを大きくできれば、リスクをコントロールしながら事業運営していることになる。半年やってうまくいけばさらに半年分の事業予算を賄う、100ユーザー獲得したらプロダクトをさらに充実させて1,000ユーザーさらには1万ユーザーを目指す。

考えとしては分からなくはないが、最初の半年も100ユーザーも、結局は将来の1~2年や1,000~1万ユーザを目指しているからできること。ビジネスステップを刻んでいるつもりが結局は大きなビジネスのコミットをしてることになる。長期のGo判断をしなければ結局短期Goもできない。

中国でビジネスをすると決めている以上、ある程度のリスクをすでに織り込んでいることを認識しなければならない。

Valuationの重要性

個人や気心の知れた少人数でVCを運営しているのであれば合意がとりやすいが、CVCなど大企業のベンチャー投資チームが「まじめに」Valuationをし始めるとそれだけで一大仕事になってしまう。

投資する際のValuationは非常に重要である。

投資時の持分比率を決めることになるし、次のラウンドにも影響するし、持分比率を通じてExit時のリターンにも影響してくる。

が、詳細に検討すること、より正確に計算しようとして時間を費やすことが投資全体にとって良いことかどうかは別問題。

日系からローカルへの罠

中国進出する際、日系企業を先に攻め、商品・サービスを磨いてからローカル企業へ進出していくというパターンが考えられる。

が、業界、プロダクトによってはこの方法が使えないことがある。

変に日系企業向けに商品・サービスを磨いてしまうと、ローカル企業のニーズには合わない可能性がある。日系マーケットは入りやすく一見魅力的に見えるが、自身の商品・サービスの将来的なポジショニングをきちんと見定めて、顧客ターゲットも決めなければいけない。

WeChat ID

直接ネットビジネスではなくとも、ネットと関わらないビジネスなんて無いし、名刺交換代わりにWeChat ID交換だし、中国ビジネスでWeChatをやらない理由が無い。

データファイルの交換や決済サービスははもちろんのこと、WeChat自体も様々な機能を提供し続けており、ますます便利になっている。簡単な議論なら仕事でもWeChat上のグループチャット機能で済ませてしまうことも多い。

DCFよりマルチプル

ベンチャー企業のValuation(企業価値の評価)は難しい。

一般的には、企業価値算出にあたってはDCF法が理論的と言われるが、変数が多く、変数を少し変えるだけで結果が大きく変わってしまう。5年先はおろか、1年先だって分からないベンチャーに対して「正確に」仮定を置くことはほぼ不可能。

なので、マルチプルでざっくり、が「正しい」方法となる。それですら、将来Exitの際の売上や利益、株式持分を仮定しなければならず、さまざまな計算結果が出てきてしまう。

Exit時の想定のValuationを算出して現時点のValuationに割戻し、今回の出資額との見合いで持ち分比率が適正かどうか。あまりにValuationを高くし過ぎると次の資金調達ラウンドを難しくしかねない。低く評価してしまうと、創業チームの持分が減ってしまい、モチベーション維持に影響が出る。

マルチプル法を使いつつ、様々な観点からValuationの妥当性を検証しなければならない。